義務化されたHACCPが求めているものは、危害要因分析と重要管理点の構築です。危害要因分析は食品に取って考えられる良くないもの、有害物質や異物の混入、微生物や細菌の繁殖などが考えられます。これらの危害要因は、顧客の健康を脅かす存在になるため、できる限り除去しなければいけません。食品を扱うすべての企業にたいして、自社が扱う食品の危害要因を明確にして分析することを求めています。
大まかな捉え方ではなく、どの工程で何が危害要因になるかと言ったしっかりとした分析を行う必要があります。次に重要管理点の構築は、危害要因ごとに発生する工程を特定して、全数検査と記録の保持を求めています。従来は完成品の抜き取り検査でしたが、それでは漏れがあり完全に安全とは言えない状況です。全数を監視して、安全性を担保できなければ、危害の発生を防ぐことができないというのがHACCPの考え方です。
全数検査は予め決めた基準への適合性確認です。温度や時間などの数値的なものであれば、計測器で記録することが可能です。色や状態であればカメラなどを使って記録しておくことが必要です。HACCPがしっかりと運用されるようになると、すべての重要管理点で記録が作成されます。
これにより異常の発見が迅速となり、トラブルを回避することに繋がります。万が一発生したときでも、対応が容易になるメリットもあります。できるだけ健康被害を発生させない取り組みがHACCPという制度です。