食品衛生法で義務付けられたのを機にHACCP認証を検討する企業が増えています。しかし複数の認証制度があるため、どれを取得すればよいのかわからないという担当者も多いようです。現在日本には運営主体によって異なる認証制度があり、それぞれに特徴が異なるため、目的に応じて選び分けなければなりません。主な運営主体としては地方自治体、業界団体認証、厚生労働省による認証、民間審査機関の4つがあるため、それぞれの持つ特徴を簡単に説明します。
地方自治体が認証する地域HACCPは、自治体が独自に設定した基準で審査を行います。主に東京都や北海道、宮城県や福井県など他が定めており、それぞれの地域内の業種を対象にしており、独自基準であるため自治体ごとに違いもあります。主に中小企業向けに策定されているので取得しやすいですが、対象製品や適用範囲が限定されています。業界団体のHACCP認証もあります。
全国菓子工業組合連合会などを始めとする業界団体が定めているため、適用範囲が業界・業種に限定されますが、業界団体に属している場合にメリットを感じられる認証制度といえるでしょう。厚生労働省が定めているのが、総合衛生管理製造工程(マル総)です。主に缶詰やレトルト食費、かまぼこやはんぺん、チーズや牛乳などの乳製品、清涼飲料水や食肉製品に限定されているため、これらの製造を主とする場合におすすめできます。最後に民間審査機関によるHACCP認証もあります。
こちらはファミレスやファストフードなどのフードチェーンを対象としており、様々な業種に対応します。規模が大きく、多品種の食品製造や提供を行う場合にメリットを感じられます。いずれも取得することで製造工程から出荷、提供までの衛生管理体制を強化できるだけでなく、取引先や消費者からの信頼も高められます。