HACCPで重要とされる温度管理ですが、調理や提供方法によって3つのグループに分けることが可能です。グルーピングすることで管理方法を共通化できるので、効率化が図れます。これは細菌が繁殖しやすい危険温度帯である10度から60度にさらされる時間をできるだけ短くすることが目的です。一つのグループは、非加熱で冷たいまま提供される食品です。
サラダやお刺身などが該当して、保管と提供後の温度が上昇しないことが、HACCPでは重要になります。そのため刺し身などは氷などを使って、飲食中も低温が保てるように工夫します。第2グループは、加熱してそのまま提供されるものです。加熱は75度で1分間行うことで細菌を死滅させることができます。
充分に加熱されていることが重要で、その後できるだけ温かいうちに提供できるようにします。HACCPで最も注意が必要と考えられるのが第3のグループで、加熱してから冷たい状態で提供されるものです。最近需要が高まっているデリバリーなどが、これに該当します。充分な加熱を行っても細菌を完全に死滅させることができません。
その状態で温度が下がると危険温度帯にさらされることとなり、購入後にいつ食べるかわからないデリバリーでは細菌の増殖が心配です。そのため、提供前に充分に冷却することが重要とされています。または加熱方法を説明して、充分な再加熱をしてから食べることを注意喚起しておきます。それでも徹底されない恐れがあるので、店舗でしっかりと冷却することを徹底しましょう。